天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「そうですか…」
さっそく行き詰った朱雀はため息をついた。
「突然このような事を聞きに来るとは…何かあったのですか?」
侍女長様は一応位的には玲心よりも下だ下手に巻き込んで関係を悪くするわけにはいかない。
「その…当時の話を聞きたくて」
「そうですか…」
しばらく黙り込んだ後、先に沈黙を破ったのは雪梨だった。
「白蘭の侍女はいませんが、明明と親しかった者はいますよ」
明明は八咫烏一族で白蘭と姉妹も同然の仲だった。そんな明明に魔宮で友がいるとは…。確かに考えてもみなかった。
雪梨が近くにいた侍女を呼んだ。
「朱華(しゅか)という侍女で明明とは仲が良かったと記憶しています。そうですね?朱華?」
「はい。侍女長様」