天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
朱華と呼ばれる侍女は小声で答えた。
「侍女長様。朱華を少々お借りしても?」
「大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」
朱雀は空いている部屋に朱華と入り誰にも聞かれないよう結界を張った。侍女はそんな朱雀に怯えて震えながら茶を淹れる。
「そんなに怯えるな。少し話を聞きたいだけだ」
「…はい」
「明明とは仲がいいと聞いたがそうなのか?」
「はい。明明は器量の悪い私に色々と教えてくれました」
「白蘭とは?」
「白蘭様とは面識はありませんが、いつも明明から話を聞いていました。」
「話とは?」
「たわいもない会話です。姉妹のように思っていると明明はいつも言っていました。自分が秋月様に嫁いでいなくなったら白蘭様を見守ってほしいとも…言ってました」