天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「玲心と白蘭は親しいのか…?いつからだ?」
「明明が言っていました…ある日突然、玲心様が来て白蘭様に謝ったんだとか。それから仲が良いみたいですよ」
位の高い玲心が八咫烏の白蘭に謝るなどありえない!
そして白蘭の宮にあった香の煎じかすを出し、朱華に聞いた。
「この匂いに覚えなどはあるか?」
「これは…魔后様の香です」
「魔后の?」
「…はい。この香は魔后様自ら調合なさるもので以前一度だけ嗅いだことがあります。少量の術を仕込んで法術の弱い者の思考を鈍らせ惑わす作用があるそうです」
「確かか?」
「は、はい。材料は魔后様に届けられる高級な物ばかりなので他の者が作るのは不可能かと…」