天空の姫Ⅱ　～二人の皇子に愛された娘～

白蘭のために

---------------------------------------
【天界】



月影の計画は着々と進んでいた。


白豹族を味方につけたことで密かに信頼を得て、天帝や天后に理不尽に虐げられた民や種族達を助けることで天宮外では月影の事を支持する声も上がってきた。


謀反人の子供ということで警戒する者も多くいたが、白豹族と主従にある事実と月影の善良さですぐにそのもの達の意見は覆った。


「…」

「お疲れですか？月影様」

「いや…少し考え事をしていた」


白豹族の長である一心は天宮にいればすぐに天帝と天后に見つかる。


今は一心の息子である気鋭が月影の従者として寄り添った。


気鋭は法術も上手く扱え器量も良く誠心誠意、月影に仕えた。


そのため月影からの信頼もすぐに得ることが出来た。


一方、月影の信頼を失った兎月は静かに主を遠くから眺めた。


兎月は宮から追い出されることはなかったが気鋭によって月影に近づくことは許されなかった。


もう以前の兎月と月影の関係には戻れないのだ。


< 204 / 255 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop