天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


目を通した天帝が驚愕した。


「こ、これはっ…月影っ!これは事実なのか?」

「はい。民の困窮を探ろうとしたところこのような事実が…私が自ら動いたため確かかと」

「なんということかっ」

「私もこのような報告はしたくなかったのですが…唯一の血縁である父上には隠せません」

「この報告によると私の側近である神官がすべて罪に加担し、それを統べているのは天后だ…これは…まさに…」


信じられないという風に、なれど確実に信じている天帝。


そうだ。これはすべて真実なのだ。


「まさに謀反ですね…父上」


言うとハッと顔をあげる天帝。そして声を張り上げた。


「衛兵!!」


すぐに天帝直属の兵が揃った。


「今すぐにこの報告書にある名の者を殺せ!天后は生け捕りにしろ!!」


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