天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
天宮に龍の怒号が響き渡り、あらゆる場所で罪人神官の血が流れた。
天界の兵は仕事が早い。
月影が自分の宮に戻り茶を一杯飲んだところで天帝から呼び出しがあった。
思ったよりもはやいな。天后とあろう者がもう捕まったか。
さあ、天帝はどう処分するのか。
「天帝陛下!私は無実です!何者かに陥れられたのです!」
「ではなぜ神官たちは皆、自分の宮にこれほどまでの財宝があるのだ!」
「そ、それは…」
「私利私欲に目がくらみこの私をずっと欺いてきたのだな!」
天宮につくとさっそく天后が衛兵に取り押さえられながら天帝に訴えている姿が見えた。
「父上。お呼びですか?」
「月影。来たか、こたびの件はそなたの調査のおかげだ。見届けるがいい」
「かしこまりました」