天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「貴妃様を治せなかった私は数日後、火葬にされるそうよ…きっと紅蓮も…」
「そうか。火葬か。ぜひ焼かれてみたいものだ」
明るい声で紅蓮は言った。
「は?」
「いいか白蘭。私は魔界の鳳凰だぞ。人間界の炎が私の事を焼けるわけがない」
こんな時まで作り話はやめろと言いたかったがやめた。きっと私を元気づけるためなんだろう。
紅蓮は自信満々に言った。
「たとえ人間が私に傷を負わせることが出来たとしてもこのような物、真の姿や法術を使えばすぐに治せる」
そして再び抱きしめると「安心しろ」と頭をなでた。
牢の中は薄暗く、肌寒かったが身を寄せ合うことでお互いの体を温めた。