天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


「だから白蘭の前には現れず陰で守ろうと思った…しかし、私は未練がましい男でな。どうしても白蘭の側にいたいのだ。記憶を失くしながらも相変わらず私に笑いかけてくれる、友と偽りを言ってでもそなたの側にいたいと切実に思ってしまう」

「…紅蓮」

「愛している…白蘭」


はっきり告げられ鼓動が高鳴った。


「月影との婚姻があるのはわかっている。だが、この想いは忘れることは出来ない。もし私のことが迷惑であるならば、去れと言ってくれ。街に送り届けた後、もう顔は見せない」

「…言わないわ。絶対言わない」


白蘭は笑顔で言った。


「だって私が愛しているのは紅蓮だもの」

「白蘭…」


紅蓮が目を見開いた。


「何度記憶を失くしても私はあなたを愛するわ。もう一度、私を奥さんにしてくれる?」

「あたりまえだ」



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