天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
白豹族の皆の瞳は、かつての主を殺された憎しみが色濃く残っている。
「本日、私は白豹族と共に謀反を起こす!だが、これは天界の民のために行うこと。無能な王は必要ない!私が正しくないと思う者は阻むがいい!」
目の前で謀反が起きようとしているのに神や重臣達は誰も天帝を守ろうとはしなかった。
それは誰もが思っていたことだからだ。
「殺せ」
「そうだ。無能な王はいらない」
「月影様を天帝に!」
むしろ賛成する声が多く上がった。その主張はだんだん大きく確実な声となり天宮に響いた。
月影は剣を片手に天帝に近づく。天帝は抗おうと法術を使ったが月影の力の前では、まるで意味をなさない。
「…月影…よせ…」
「それは聞けません」
「実の父親だろう」
「…」