天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「綺麗な石ね」
気付くと横から白蘭が石をつついた。すると天空石がそれに強く反応した。
白蘭なのだ。
すぐにわかった。天女の娘だと。
本当に生きていた。そして私の想う人が許婚なのだ。
「そなたなのだな」
私は白蘭を抱きしめ涙を流した。
なんど天女の子が白蘭であればと思ったことだろう。
それが叶ったのだ。
戸惑いながらも白蘭が抱きしめ返してくれる。
もしかしたら白蘭は私の事を異性として好いているわけではないかもしれない。
だが、二人でここにいれば自然と心を許してくれるだろう。
天界の者にも紅蓮にも、もう誰にも邪魔させない。
白蘭は私の者なのだから。