天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


「どこへ行った…白蘭!…薬師神!」


宮中をくまなく探したが無駄だった。


心に余裕がなくなっていく。


「紅蓮様!」

「皇太子殿下!」


様子を聞きつけてきた雪梨と香林が宮に入ってきた。


「殿下!?」

「ぐ、紅蓮様!そのお姿はどうされたのですか!?」


片目がないことや乾ききった血…それと体の傷に二人が息をのんだ。


「白蘭が…いなくなった」


どうしたらいい。あの体なのにどこに行ったんだ。


はやく…薬を飲ませねば!


「紅蓮様落ち着いてください。私たちも探しますゆえ。」


雪梨に手を握られハッとした。


「そうだな。頼む。香林と朱雀軍は魔都を、雪梨は侍女達と魔宮を探してくれ」


すぐに二人はうなずき、さっそく探しにいってくれた。


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