天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「白蘭!」
覚えていないのか?なぜ私を見ない。
月影がそんな私に対して声を荒げた。
「…お前がその名を呼ぶなっ」
あの月影が私のことを睨むことに驚いた。一瞬ためらった白蘭はもう家の中だ。
白蘭がいなくなると月影が私に向き直った。
「何をしに来た」
「月影、どうしてしまったんだ」
なぜ、そんなに変わった。前の穏やかな友は目の前から消えていた。
「どうした。だと?今更来て何をいうかと思えば…」
「白蘭はどうしてしまったんだ?まるで私のことを知らないようだった」