天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
私を助ける気ならこれで出てくるはず!
体を丸めていると、足音がすぐ近くまで聞こえてきた。
「白蘭っ!どうした!白蘭」
心配そうに私の名を呼ぶ男が駆け寄ってくる。
抱き起こされたところで、私はパッと目を開けて男の腕をつかんだ。
「捕まえたっ」
「!?」
男は驚いた顔で私を見ると、すぐに逃げようとする。
「ちょっと!待ってよ!」
「っ」
逃げたいのに男は私の手を振り払わなかった。
それをいいことに私は男の手を握って引き止める。
「いいから。ここに座って!」
「…」
「はやくっ」
迷った後におとなしく座る姿はなんだかかわいくみえた。