天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
いつも通りの日常。でも今日はあの人と話ができたことがうれしかった。
明日は会えるだろうか。
そんな思いが通じたのか次の日も川辺に行ってみると紅蓮は私よりもはやく来ていた。
「紅蓮!」
名前を呼ぶと振り向く。彼が逃げないように走って駆け寄ると石に足を取られて転んでしまった。
なんとも恥ずかしい。
「白蘭。大丈夫か?」
逃げられると思った紅蓮が起こしてくれる。
「へへっ。大丈夫よ。かっこ悪いところ見せちゃったわ」
「怪我は?見せてみろ」
すごく心配そうね。紅蓮は私の足首から微かに血が滲んでいるのを見つけると眉間にしわをよせた。
「痛むか?」
「大したことじゃないわよ。ほっとけば治るわ」