天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「すまない。人間には蘇生術は効かないのだ」
蘇生術?なんの話かしら。
そう思っていると紅蓮は私の衣をめくり靴を脱がせ素足を触った。
「ちょっ」
「なんだ?」
恥ずかしがる白蘭をよそに紅蓮は傷の具合を確かめ明らかに高価そうな自身の衣を裂くと白蘭の足首に巻いた。
「ああ!!高価な衣なのに!」
「衣のことなど気にするな」
そういわれても気にするわ。
私が怪我をしたからか紅蓮は逃げないで隣に座った。
「ねえ。なんでいつも黒い服を着てるの?なんで仮面をしているの?」
「…なんでが多いな」
ふっと紅蓮が笑う。
なんて人間離れした美しさなんだろう。
月影の穏やかな美しさとは違い、紅蓮は凛々しさを兼ね備えている美しさだ。
月影が水なら紅蓮は炎が良く似合う。
「聞きたいか?」
「ええ」
「…」
「教えてよ」
しつこく聞くとやっと紅蓮は口を開いた。