天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
やはりな。なかなか来ない私に対し氷輪をよこしたわけか。
相当腹が立っていることだろう。
見ものだな。
「ああ。わかった」
白蘭を残していかなければならないな。仕方がない。
「白蘭。」
「ん?」
「家をしばらく留守にする。今回は長く帰って来れないかもしれない。これを…」
渡したのは龍の鱗で作った腕輪だ。
「わあ。きれい」
「何かあればこれを千切るのだ。そうすれば私がすぐに駆け付ける。よいな」
「ありがとう。じゃあ私もこれをあげるわ。駆け付けられないけど」
白蘭が自身のしていた首飾りを渡してきた。
「帰ってきたら返してね」
「ああ。わかった。…薬の場所はわかるな。あとは食料と…」
「月影ったら大丈夫よ!ほら、氷輪が待っているわ!行って!」
氷輪は二人のやり取りを笑いながら見ている。