天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「では、行ってくる。」
「行ってらっしゃい」
そうして白蘭と別れて天界へと帰っていった。
さあ、天界を作り変えよう。
「兄上。着替えてから来ますか?」
「そうだな。先に行ってくれ」
そして自分の宮に向かった。
兎月はまだ帰ってこないようだな。
自分の宮に帰るのは久しぶりだ。少ししおれてしまった鈴蘭を法術で元通りにする。
身支度を整えると母上の形見が目に入った。
翡翠の腕輪。
謀反人という母のせいで私は天界で多くの物を失った。だが、そんな私が今、謀反を起こそうとしているのだ。
まさにこの翡翠の腕輪は私にぴったりだな。
月影は翡翠の腕輪をすると天宮へと向かった。