天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「蓬莱。これはなんだ?」
「それは花よ。鈴蘭という花よ」
「そうか!」
そういうと延輝は花を掴むと引き抜いた。
「蓬莱。やる!」
「…」
「どうした?」
「延輝。花は生きているの」
「生きている?」
「そう。このように無暗に抜いてはいけないのよ。抜けば、この花の寿命も尽きてしまう」
「…そうなのか。綺麗だったから蓬莱にあげたかったのだ」
落ち込む延輝の手を取り私はいう。
「人の命も一緒よ。皆、生きる資格がある。でもそれを奪う資格は誰にもないの。だからむやみやたらに人を殺しては駄目よ」
「…人も花も一緒なのだな」