天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「月影!どこなの?」
「母上!こちらです」
母親だろうか。私を見て慌てて礼をとる。
「天女様にご挨拶を」
「立ちなさい。あなたの息子さん?」
「そうです。月影と申します」
この女性は白蛇族の人ね。それに位が高いわね。翡翠の腕輪をしているもの。
「月影…良い名前ですね。母上の教育がさぞ良いことでしょう。月影、ご褒美に私が願いを叶えましょう」
月影からは延輝と同様に善良な気配がする。
「天女様、ありがとうございます。でも私は母上と一緒にいられれば何もいりません」
やはり、この子は善良だ。
「そう。では助けが欲しい時は私の事を心の中で呼ぶのですよ」
「はい。天女様」