天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「蓬莱。千年後、私を置いて天に帰るのか?」
出会った時と同様の質問をする延輝に蓬莱は答えた。
「いいえ。あなたとずっと一緒にいるわ。天もきっと許してくれる」
「ああ。ずっと一緒にいよう」
こんなに愛しい人を残していけるわけがない。
私には延輝だけ。延輝も私だけしかいないのだ。
お互いが想っているのであれば天も許してくれるはず。
そんな二人に呼応するように宮に天から虹がさした。
数日経ったある日、なぜだか胸騒ぎがした。
「どうした?蓬莱」
「いいえ。なんでもないわ」
天界も魔界も、もう十分に潤っている。
私の手がなくても、やっていけるはずだ。
なのに、なぜこんなに嫌な予感がするの?