天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「天女様…。」
白蛇族が皆、血まみれで倒れている中、月影が泣きながら私のことを呼んだ。
視線を移すと母親に守られるように返り血を浴びた月影がいた。
「月影っ」
「天女様…母上が…母上が」
月影の母親の息を確認するも、すでに手遅れだった。
「天女様…母上助かりますよね?」
「…」
「母上、起きてください…母上…」
月影が隣で母親をゆすって起こそうとする。
いくら天女の私でも死んだものを生き返らすことはできない。
「…天帝・天后、これはどういうことです」