天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
黙っている二人に天女が問う。
天帝は天女から目を逸らし天后が代わりに答えた。
「…謀反です。謀反が起こったのです」
「馬鹿な!白蛇族が謀反など起こすはずがない!」
天后を鋭く睨み心を読んだ。
…やはり。白蛇族は謀反など起こしていなかった。
天后は自分よりはやく子供を産んだ側室の白蛇族が許せなかったのだ。
自分の自尊心を守るために無罪の白蛇族を謀反とし全員殺したのだ。
次に天帝の心を読む。
天帝は自分より法術の強い月影を警戒していた。それゆえに天后の嘘に気づきながらも謀反を受け入れ自分の側室でさえ殺したのだ。
このような者が天帝と天后とは…。だが天女は勢力争いには干渉できない。