今宵、彗星
(仮置き)第三章 しけてんねぇ
.☆.。.:.+*:゚+。 .゚・*..☆.。.:*・°.*・゚ .゚・*..☆.。.:*・°.


第三章 しけてんねぇ

‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆‎⋆

ー石川來(イシカワ シキ)ー
「しけてんねぇ」

これが、この街に来て一番最初に思ったこと
小一時間周辺をブラブラしていたが、只只住宅が広がっているだけ。
道を歩く人影もまちまちで大体さえないおっさんか、女捨ててそーなおばさんだけ。

近所にビルもない。ゲーセンもない。イケメンもいない。なんにもない。

足元にある小石をポンと蹴る。小石は宙を放物線を描くようにして水溜まりにポチャンと音を立てて落ちた。

こんなド田舎で生まれて5歳まで過ごしていたなんて、信じられない。
コンビニだって何個あんの?全然なくない?都会か田舎かを見定めるにはコンビニの数がどのくらいあるか。これな限る。と、誰かが言っていたような気がする。、、、言っていなかったような気もする。

グルリとバレエのターンのように回って辺りを見渡すが目は民家しか捉えない。

親の仕事の関係で幼少期をすごしたこの街に帰ってきた。
帰ってきたと言っても自分にはなんの記憶もないし、なんの思い入れもない場所だ。
何かオリジン的なものも感じられない。
「やっぱり、あっちに残ってればよかったな」
誰に言うわけでもなくポツリと呟いた。

あっち(東京)では毎日悪友と遊び回り自由気ままな生活を送っていたがこんなド田舎じゃ気が合う奴も居ないだろうし、遊ぶところもありゃしない。
つまんないの。
舐めていたチュッパチャプスイチゴ味をガリっと噛んで飲み込む。


あ、でも「シゴト」は捗りそう。

それに、

あの子に会えるのは楽しみだなぁ。

ね、よっちゃん。
< 11 / 11 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop