手が届かない向こうへ
それからの私は、お兄ちゃんに見合った女になるために必死で自分磨きをした。


「頭が悪い女は嫌い」


お兄ちゃんがそう言うから勉強も頑張った。


「言葉遣いの悪い女って好きじゃない」


そう言ってたから言葉遣いも直した。

真面目なだけでつまらない女にはなりたくないから、流行りのチェックも怠らなかったし、友達もたくさん作った。

私の行動全てがお兄ちゃんへの想いからきていた。

だから苦には感じなかった。

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