手が届かない向こうへ
この、お兄ちゃんのいない世界を生き抜けば、いつか私もお兄ちゃんと同じ所に行けるだろうか?

また再び出会えるだろうか?


「頑張ったな、偉いぞ」


そう言いながら、大きな手でくしゃくしゃと私の頭を撫でてくれるだろうか?

答えは分からない。

先さえ見えない。

だけど歩きつづけなければいけない。

自ら命を絶てば、きっと同じ場所にはいけない気がするから。



毎朝、毎晩、空を見上げながら呟く。


「今日もこんなに好きだよ」


空にいるなんて思っていないけど、そこが一番近い気がして。
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