惹かれたのは強く、眩しい子で。
「これは…?」
孤児院を訪問し始めて1年ほどが過ぎた。
前触れなしに勉強の後、ふらりと孤児院を訪ねると、そこは地獄絵図のようだった。
いつも整然としていた施設内は子どもの泣き叫ぶ声が聞こえ、物があちこちに散らばっている。
「エルシー様、私が先に。」
主の先を歩こうとするハミルを制し、嫌な鼓動を鳴らしながらエルシーは先を急ぐ。
子どもの姿は1人も見えず、ただ泣き叫ぶ声だけが聞こえる。
「施設長!この子は悪くないんです!!」
「黙りな!相変わらず生意気だね!!」
微かに聞こえたその声
グッと身体中の熱が上がり、その声の方へ走っていた。