惹かれたのは強く、眩しい子で。
2
「ラース、サバチエ、オーラグ、そして…ノーティ」
「……これが証拠となるかはほとんど厳しいですね。」
城が寝静まった夜更け
ハミルと共に数年間睨み続けてきた記号たちを今度ははっきりとした憎悪感で見る。
「とりあえず明日王と王妃には報告する。」
「そうですね。私は、それぞれの屋敷を隠密に探ります。」
「頼んだ。」
「最近、お兄様忙しそう。」
頬杖をつきながら窓際で外を眺めるリラ様
「お父様たちも忙しそうなの。…私には何も言ってこないし。お母様に聞いても知らないって言われた。」
「今までも忙しそうでしたけど。…何かあったんですかね。」
「私、役に立たないのかな…。」
ぽつりとこぼすリラ様が悲しそうに見えた。
きっと役に立たないとかじゃない。そんなことエルシー様たちが思っている訳ない。
それでも寂しそうなリラ様の気分を変えてあげたい。
「リラ様!お散歩しましょう?お外でティータイムでもしませんか?」