惹かれたのは強く、眩しい子で。
静かで心地良い時間
リラ様と特に話す訳でもなく、ただ綺麗な庭園を2人で眺めている。
「おや。これは良い。」
静かな空間に聞こえた少し嫌な声
振り向くと心臓がどくんっ!と強く鳴った。
「……施設長?」
「ミアだね。…ずいぶん小綺麗になったものだ。」
「あなたは…?」
リラ様の護衛につけていた1人の騎士が施設長の前に立つ。
「ミアと2人にしてくれる?昔からの知り合いなんだ。」
伺うような視線を騎士からもらい、私はリラ様に視線をやる。
「リラ様すみません。彼とお部屋に戻ってもらえますか?心地良い時間を邪魔して申し訳ないのですが。」
「誰なの?見たことないわ。…身なりもあまり良いとは言えない。」
「孤児院にいた頃の施設長だった方なんです。」
そう言うとリラ様の視線が厳しいものに変わった。
「ダメ、ミア。ミアも一緒に戻りましょう。」
私の手をぎゅっと掴むリラ様
その温もりに早かった鼓動が少し落ち着くのがわかった。