囚われて、落ちていく
「ピアス?」
「うん。ここ、見て?小さいけど……」

「あ……刹那さんの魔王がいる…!」
フープピアスの内側に、刹那の刺青とお揃いの小さな“魔王”がいた。

「そうだよ。ね?お揃い!」
「綺麗だね!素敵……!」

「片方ずつ、つけよ?」
そう言って、都麦の右耳につけた刹那。
「僕にもつけて?」
都麦も、刹那の左耳につけた。

「やっぱり、身につけるものですぐにお揃いってわかるって言ったら、ピアスかなって!
ネックレスは僕がネクタイしてるから見えないし、ブレスレットは仕事上つけれないから」

「ありがとう!刹那さん!絶対、外さない!
刹那さんも、外さないでね!」
自分の右耳に触れながら、満面の笑みで笑う都麦。

「もちろん!
フフ…やっと、笑ってくれた!
可愛い~つむちゃん!大好きだよ!」
刹那も満面の笑みで笑う。

都麦は自然と、涙が溢れていた。
「つむちゃん…?
どうしたの?」
刹那が涙を指で拭う。

「私、刹那さんが大好き。
メリットがなくても、恥ずかしくても、刹那さんの恥になっても……
…………それでも、私…刹那さんの傍にいていい?」

「もちろん!
というより、放さないよ!
僕は、これから先つむちゃんが離れたいって言っても絶対放さない!
つむちゃんは僕だけのモノ。
この一重の綺麗な目、ぷくっとした口唇、柔らかい肌、つむちゃん独特の甘い匂い、可愛い声も……全部僕のモノ」
「なんか…恥ずかし…/////
でも、嬉しい……!」
思いもよらず褒められ、恥ずかしさで顔を赤くする都麦。

「フフ…可愛いなぁ。
ほんと、可愛い…!
このまま……閉じ込めたいな……」
「え…!?」

「フフ…冗談だよ(笑)
でもね、忘れないで?
僕はね……つむちゃんが思ってるよりも、つむちゃんを愛してるんだからね!」
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