囚われて、落ちていく
後部座席を開けた瞬作。
「乗って?
兄さん、来たよ」
「あ、あぁ…
━━━━━━!!!!」
奥に乗っていた刹那の雰囲気に、思わず後退り息を飲んだ。
「早く乗れ」
「は、はい」
ゆっくり、刹那の隣に乗り込んだ。
「お前、煙草は?」
「え?」
「遠慮はいらない。吸えよ」
刹那はあくまでも、正面を向いて一切東矢を見ない。
そして煙草を咥えた。
「いえ、大丈夫です…」
「だから!遠慮はいらない」
運転席から瞬作が、刹那の煙草に火をつけた。
「……じゃ、じゃあ…」
刹那の前で吸いたくはないが、これ以上は断れないので東矢も吸い始めた。
「………」
「………」
車内に、二つの煙草の煙が充満する。
「あーー胸くそ悪い…」
「え…!?」
「その煙草の臭い」
「え?す、すみません…!」
慌てて東矢は、携帯用の灰皿に煙草を潰し捨てた。
「昨日、俺の都麦から臭ってきたんだ」
「え!?都麦!?」
「そう。都麦」
「………って、まさか…!?」
「そのまさかだよ、都麦の元彼の相沢 東矢くん」
そこで刹那は、初めて東矢に向き直り顔を見た。
「相沢、話は簡単。
都麦ちゃんに“もう二度と”会わないで!
ただそれだけ……!簡単でしょ?」
瞬作が運転席から振り返り言った。
「なんで?」
「都麦は、俺の妻だから」
「いや、都麦を奪うなとかならわかる。
でも“会うな”ってのは、おかしい。
友達としてでも━━━━━」
ガン━━━━!!!
と窓を殴る音がして東矢が見ると、窓にヒビが入り刹那の右手が少し切れていた。
「いいか。
都麦は“俺の”妻。
その俺が会うなと言っている。
お前に決める権利はない」
「……………都麦は、何て言ってるんですか?」
「受け入れてくれている。
当たり前だ」
「………そう、ですか…
あの日、振ったりなんかするんじゃなかった……」
項垂れ、呟く東矢。
「そうだ。結局、自業自得だ」
刹那は車の天井に向かって、煙草の煙を吐いた。
「そうですね…」
「監禁してでも、手放さなきゃよかったんだ」
「え……何を、言ってるんですか?」
バッと刹那を見る、東矢。
「乗って?
兄さん、来たよ」
「あ、あぁ…
━━━━━━!!!!」
奥に乗っていた刹那の雰囲気に、思わず後退り息を飲んだ。
「早く乗れ」
「は、はい」
ゆっくり、刹那の隣に乗り込んだ。
「お前、煙草は?」
「え?」
「遠慮はいらない。吸えよ」
刹那はあくまでも、正面を向いて一切東矢を見ない。
そして煙草を咥えた。
「いえ、大丈夫です…」
「だから!遠慮はいらない」
運転席から瞬作が、刹那の煙草に火をつけた。
「……じゃ、じゃあ…」
刹那の前で吸いたくはないが、これ以上は断れないので東矢も吸い始めた。
「………」
「………」
車内に、二つの煙草の煙が充満する。
「あーー胸くそ悪い…」
「え…!?」
「その煙草の臭い」
「え?す、すみません…!」
慌てて東矢は、携帯用の灰皿に煙草を潰し捨てた。
「昨日、俺の都麦から臭ってきたんだ」
「え!?都麦!?」
「そう。都麦」
「………って、まさか…!?」
「そのまさかだよ、都麦の元彼の相沢 東矢くん」
そこで刹那は、初めて東矢に向き直り顔を見た。
「相沢、話は簡単。
都麦ちゃんに“もう二度と”会わないで!
ただそれだけ……!簡単でしょ?」
瞬作が運転席から振り返り言った。
「なんで?」
「都麦は、俺の妻だから」
「いや、都麦を奪うなとかならわかる。
でも“会うな”ってのは、おかしい。
友達としてでも━━━━━」
ガン━━━━!!!
と窓を殴る音がして東矢が見ると、窓にヒビが入り刹那の右手が少し切れていた。
「いいか。
都麦は“俺の”妻。
その俺が会うなと言っている。
お前に決める権利はない」
「……………都麦は、何て言ってるんですか?」
「受け入れてくれている。
当たり前だ」
「………そう、ですか…
あの日、振ったりなんかするんじゃなかった……」
項垂れ、呟く東矢。
「そうだ。結局、自業自得だ」
刹那は車の天井に向かって、煙草の煙を吐いた。
「そうですね…」
「監禁してでも、手放さなきゃよかったんだ」
「え……何を、言ってるんですか?」
バッと刹那を見る、東矢。