囚われて、落ちていく
「瞬作さんの言うように、これからも若は都麦様を縛りつけていくと思います。
そうなった時、都麦様が助けを求めてくるかもしれませんよ」
「フッ……」
「瞬作さん?」
「都麦ちゃんが助けを求めるわけないよ」
少し微笑んで言った瞬作。
でもその力強い視線が、真っ直ぐ笹原の心に響いた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「うー、買いすぎた…
恐るべし肉の日……」
つい買い込んでしまった都麦。
両手にエコバッグを抱え、ゆっくり家路についていた。
野菜等も買い込んだ為、かなりずっしりときていた。
「君島さん?」
「え?あ、波田…さん…?」
「久しぶりだね」
波田は、カフェで働いていた時の店長だ。
「はい…」
都麦は少し苦手な人だ。
いじめとまでいかないが、嫌がらせをよくされていた。
働きだした時、指導係だった波田。
熱心に優しく指導してくれていたが、波田の告白を断ってから態度が一変し嫌がらせをされるようになったのだ。
「荷物、重そうだね。持とうか?」
「いえ…大丈夫です。私、急いでるのでこれで……
さようなら」
踵を返して、家路に急ぐ都麦。
「そんな嫌そうにしなくていいじゃん!」
都麦の前に立ちはだかる波田。
「急いでるので、退いてください……!」
波田はガタイがいいので、立ちはだかられると都麦はどうしようもできない。
「いいじゃん!俺が持ってやるっつてんだからさ!」
そう言って、エコバッグの持ち手ごと手を掴まれた。
「え?ほんとに、結構ですから!
離してくださ━━━━━」
「その手、離してください」
波田の手を取り、捻りあげた男。
「え…?笹原さん?」
「大丈夫ですか?都麦様」
波田の手を捻りあげたまま、都麦を見て言った笹原。
「いてててっ…!!離してくれ!!」
「あ…笹原さん、波田さんを離してあげてください!
もう大丈夫ですので」
笹原のジャケットを掴み、見上げて言った。
「それは、できません。
この方は、都麦様に勝手に触れたので。
危ないですから、離れててください」
そう言って、軽く都麦を押し返したのだった。
そうなった時、都麦様が助けを求めてくるかもしれませんよ」
「フッ……」
「瞬作さん?」
「都麦ちゃんが助けを求めるわけないよ」
少し微笑んで言った瞬作。
でもその力強い視線が、真っ直ぐ笹原の心に響いた。
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「うー、買いすぎた…
恐るべし肉の日……」
つい買い込んでしまった都麦。
両手にエコバッグを抱え、ゆっくり家路についていた。
野菜等も買い込んだ為、かなりずっしりときていた。
「君島さん?」
「え?あ、波田…さん…?」
「久しぶりだね」
波田は、カフェで働いていた時の店長だ。
「はい…」
都麦は少し苦手な人だ。
いじめとまでいかないが、嫌がらせをよくされていた。
働きだした時、指導係だった波田。
熱心に優しく指導してくれていたが、波田の告白を断ってから態度が一変し嫌がらせをされるようになったのだ。
「荷物、重そうだね。持とうか?」
「いえ…大丈夫です。私、急いでるのでこれで……
さようなら」
踵を返して、家路に急ぐ都麦。
「そんな嫌そうにしなくていいじゃん!」
都麦の前に立ちはだかる波田。
「急いでるので、退いてください……!」
波田はガタイがいいので、立ちはだかられると都麦はどうしようもできない。
「いいじゃん!俺が持ってやるっつてんだからさ!」
そう言って、エコバッグの持ち手ごと手を掴まれた。
「え?ほんとに、結構ですから!
離してくださ━━━━━」
「その手、離してください」
波田の手を取り、捻りあげた男。
「え…?笹原さん?」
「大丈夫ですか?都麦様」
波田の手を捻りあげたまま、都麦を見て言った笹原。
「いてててっ…!!離してくれ!!」
「あ…笹原さん、波田さんを離してあげてください!
もう大丈夫ですので」
笹原のジャケットを掴み、見上げて言った。
「それは、できません。
この方は、都麦様に勝手に触れたので。
危ないですから、離れててください」
そう言って、軽く都麦を押し返したのだった。