【短編】貴方だけを愛しています
…本物の家族……?



「後は達也が言え。良いよな、親父」



「あぁ」



「…………?」



「安心して下さい。これまで通り、何かあれば協力させて頂きます」



「「…………、」」



「たっちゃん……?」



「唯来は、俺の嫁にします」



「「「『――…!!?』」」」



「兄がどちらかと結婚しようとしなかろうと、そのつもりでした。唯来は、俺と、俺たち家族で、一生幸せに暮らさせます」



「えっ……?」



「待ってよ、達也君!私たちは別に唯来を――…」



「あー、吠えた吠えた。すんませーん。俺たち家族あっちの窓際席に移りたいんだけど」



「は、はい;;」



「料理なる早でよろしく!さあ移るぞ!煩いし寒いし最悪だ。陽を浴びさせろ」



「寒くねぇだろ」



「寒いよな?」



「ずっと寒い」



「ほら」



たっちゃんからの、まさかの求婚。

将也お兄様の優しさに流れた感動の涙も止まるほどの、驚き。

でも、咲来が口を挟もうとすると、お兄様は立ち上がって、席移動をする事になった。

寒いし、とりあえず立ち上がり、呆然とする纐纈家と的渕家を放置し、5人で移動。
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