【短編】貴方だけを愛しています
「お前、他人だよな?;;」



「だから言っただろ、親父!一緒に過ごせば似るんだ。この美しい俺の顔に、唯来は似て来たんだ」



「別にお兄様は美しくは;;」



「お前が達也しか見てねぇからだろーが!恋は盲目ってな!」



「お兄様!;;」



「慌てるな。みんな知ってる」



「えっ?;;」



「俺自身が気付く位、わかりやすい;;」



「…………。嘘だぁ!;;」



「唯来、お父さんもわかってたぞ?」



「お母さんは?;;」



「唯来ちゃん、顔にすぐ出るのよ?将也が話し掛けても真顔なのに、達也にはデレデレ」



「…………。すみません。ジャスミン茶のおかわり下さい」



「焦ってんぞー」



「お兄様、嫌いっ!」



「何とでも言えー?デレデレ唯来ちゃん」



「…………っ!!;;」



「――っ!!;;す、脛がぁ゛……;;」



「フンッ!」



席を移り着席すると、ジャケットを貸してくれるたっちゃん。

ジャケットとカイロで暖を取ってると、将也お兄様に私の気持ちがバラされた。

しかし、全員が知ってると知り、慌ててポーカーフェイスを気取って誤魔化そうにも、お兄様にからかわれる。
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