【短編】貴方だけを愛しています
パンプスを脱いで思い切り脛を蹴り、新しく淹れて貰ったジャスミン茶と、五目入りフカヒレスープを飲む。

北京ダックなど、他のコース料理を家族で堪能してると、纐纈の両親がやって来た。



「来未が相手として話は纏まりました。今後とも、よろしくお願い致します」



「お願い致します……」



跪き、お父さんと頭を下げると、一番にお兄様が「オッケーです」と頷く。




「寒いなー。太陽、仕事してねぇな」



「寒くねぇって」



「と言ってるヤツが、家で暖炉前を占拠してるけどな」



お父さんとお母さんが付いてテーブルへと行く中、お兄様は目を細めながら空を見上げる。



「そう言えばだよね?たっちゃん、冬は暖炉前から動かない」



「お前、ヒートシャツだけじゃねぇな」



「……堪えてんだよ」



「私の……為に?;;」



「まあ;;」



「ダルッ;;」



「将也お兄様にはない優しさね」



「山暮らしは辛ぇな……」



ーー~♪~♪



「もしもし?」



他愛ない話。

でも、ちょっと恥ずかしくて嬉しい話をしてると、将也お兄様のスマホが鳴り始めた。

ちょうど話の区切りもついてた為、たっちゃんと向き合う。
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