【短編】貴方だけを愛しています
タクシーを手配し、私たちも着替え。

ヒートシャツと同じ素材のタイツを穿き、裏地が暖かい素材のデニムを穿く。

靴下もちゃんと履いて、タートルネックのインナーと、Vネックセーターを着る。

ロング丈のケープコートに替え、1階へと降りると、デニムとパーカーに着替えを済ませたたっちゃんと、タイトなジャージとスエットパンツを重ね穿きという最強のコーデをし、庭で煙草を咥えるお兄様が既に居た。



「あー、美味かったー」



「臭い;;」



「小っちゃい事言ってっから、モテねぇんだよ」



「別にモテなくて良いもん。たっちゃん居るから」



「へいへい」



ムートンブーツを履き、自然とたっちゃんと手を繋いで家を出る。

既にタクシーは停まっており、運転手さんが手動で開けてくれたドアから乗り込み、挟まれて狭い空間で、到着を待つ。



「カイロ貸せよ」



「お兄様、狭い!脚閉じて!」



「長いから仕方ねぇんだよ」



「私と同じだと思うけどね」



「…………。俺、短足じゃねぇか」



「そうだね」



「あぁ?;;」



カイロを奪われたついでに、脚を閉じるように言う。

私と自身の脚の長さを見比べ、冗談に気付かず、頭を抱え出す。
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