【短編】貴方だけを愛しています
「腰で穿いてるんだ。目の錯覚に気付けよ」



「……あっ」



「自分でわからないの?それ位」



「おい、チビ」



「はい、ノッポな口臭いお兄様」



「臭くねぇよ!……多分」



「煙草吸ったら、口を漱ぐとかしてよ」



「……ドーモ;;」



たっちゃんに小学生でもわかる脚の長さが同じに見える理由を教えられ、キレそうになったお兄様。

鞄からミントタブレットを出して手渡すと、数粒出してボリボリと食べる。



「ハッハッ!」



「確認してわかるの?」



「ハァー!ハァーッ!」



「……っ、」



「…………;;」


「嘔吐いてんじゃねぇよ、達也;;」



「鼻呼吸したらダメだよ;;」



子供みたいな会話をしながら、到着したタチバナ。

暖簾が仕舞われてる店内に入ると、カウンターから出迎えてくれた橘さんに頭を下げた。



「着いて早々悪いが、まあ食ってくれよ」



「「「…………」」」



「何だよ?」



「ここに来て、カレーかよ;;」



「至極の1皿だ」



カウンター席に座り、ドンッと置かれたカレーを目の前に、ガッツリお肉じゃない事に固まる。

良いお肉が入っては居るんだろうけど、何で今になってカレーなのか。
< 17 / 88 >

この作品をシェア

pagetop