【短編】貴方だけを愛しています
「んーっ、美味し……!」



「そうだろ?唯来!」



せっかく呼ばれたからと、とりあえず一口。

だが、思った以上に極められたカレーに、一口で反応。



「納豆も良いね」



「そうなんだよー。それよりどうだ?この春で、仕事も1年だろ」



「ハードだけど、楽しいよ。子供たちと過ごしてると楽しい」



「そのうち、将也の子供も混ざってるかもな」



「まだねぇな。達也と唯来が先だ」



「唯来なんだろうな。垢抜けて、良い女になったしな?俺んとこ嫁来るか?」



「私はたっちゃんだけー」



「は……?」



「そう言う事だ、橘」



「ツバでも付けときゃ良かったな」



「タイプじゃねぇからわかんねぇ」



「どこが好きなんだよ」



「ここ一番とかはないな。気付いたら俺の中に居た」



「唯来は」



「物心ついた時から、たっちゃん」



「小っちゃい時は“たちゅやおにーちゃまー”って追っ掛けて、今は“たっちゃんたっちゃん”て世話焼いて、こいつはすげぇよ」



「お兄様、臭い!」



「褒めてやってる時にうっせーよ!」



「頼んでないし!」



しかも、まだ人が食べてるのに、煙草吸う?
< 18 / 88 >

この作品をシェア

pagetop