【短編】貴方だけを愛しています
「将也は纐纈の家から嫁貰うんだろ?ここくっ付いて大丈夫なのか?」



「断った」



「は?;;」



「達也と唯来がくっ付くのは、同じようなもんだろ」



「お前な、世の中そんな甘くねぇよ。“将也さーん”て、お前は追われる」



「知らねぇ知らねぇ。あー知らねぇ」



「一見、達也の方がイケメンでモテるだろうけど、お前は変な女に好かれるからな」



「俺がイケメンじゃねぇみたいな言い方してんじゃねぇよ!」



「イケメンじゃねぇだろーが!ただノッポなだけだろーが!お前、おやっさんたちの遺伝子、身長しか貰ってねぇからな?達也は身長も顔立ちの良さとかバンバン貰ってっけど」



「……何だと?;;」



「――…;;」



「唯来、本当か?;;」



「たっちゃん、あの日本酒なんだろうね?;;」



「答えろ」



「……中の上?;;」



「俺、上の中」



「2人とも、普通でしょ……;;」



何でくっ付いたとか、政略結婚を断ったという話から、顔の話に?

ましてや私に振っても、しょうがなくない?

別にモテないわけじゃない。

不細工なわけでもない。

イケメンの基準も人それぞれでしょ。
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