【短編】貴方だけを愛しています
「なっちゃーん」



ナースステーションでは、気を引き締める為にもクールで居るけれど、病室では笑顔を見せる。

担当患者さんの中では、最年少となる喘息の3才のなっちゃんのところへ行くと、笑顔で抱き着いて来た。



「葉山さん、好きっ」



「ありがとーっ」



ぎゅっと抱き締め返しながら、付き添いのお母さんと体調の話をしたり、雑談もして交流を深める。



「やす君っ!」



「バレたー;;」



男の子の大部屋に移り、カーテンが閉められた担当の子のベッドへと行くと、そこはもぬけの殻。

溜め息を漏らしながらプレイルームへと行けば、入院仲間の中学生男子3人で、ドッジボールを始めようとして居た。



「小さい子が来るからここでは止めてって、お願いしたよね?」



「「「はーい……」」」



病室へと戻り、足を骨折しながらも、ヤンチャで車椅子で暴れ回るやす君にお説教をして、ナースステーションへと戻る。

1年目らしく点滴の準備をしたり、入浴介助の準備をしたりと、バタバタと動き回る。

12時前までに交代で休憩を取り、午後からは退院指導や、入院患者さんの看護計画を立て、先輩や主任に確認して貰う。
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