【短編】貴方だけを愛しています
気に入ってくれてるなっちゃんにバイバイだけしに行き、着替えて退勤。
「お疲れ様」
「あの、葉山さん……!」
「何?」
私より先に更衣室へと向かってた飯田さんからの待ち伏せ。
挨拶だけはと声を掛けて駐車場へと向かおうとすると、大人しく駅の方へ足を向けた飯田さんに、呼び止められる。
「私、向いてないのかな……。辞めた方が良いのかな……」
振り返ると、退職の相談。
何で私に訊ねるのかと、呆れながら「好きにすれば良い」と答える。
寒いし、早く帰りたい。
「止めてくれないの……?」
「止めて欲しいの?」
「…………、」
「私も新人なの。飯田さんが向いてるか向いてないのかなんて、判断出来るわけない。辞めたいなら辞めて良いと思う。貴方の自由。迷うなら、大宮ーオオミヤー先輩に訊いたら?」
「……ごめん……」
私からの回答を諦めてくれた飯田さん。
「それじゃ」と駐車場へと向かう。
「たっちゃん?」
「お疲れ」
車の影に見えた人影。
近付いて見れば、たっちゃん。
「どうしたの?」
「休日出勤のついで。休日出勤がついでかも知れねぇけど」
「たっちゃん!」
ついででも良い。
理由など関係なく、こんなにも早く会えて嬉しい。
「お疲れ様」
「あの、葉山さん……!」
「何?」
私より先に更衣室へと向かってた飯田さんからの待ち伏せ。
挨拶だけはと声を掛けて駐車場へと向かおうとすると、大人しく駅の方へ足を向けた飯田さんに、呼び止められる。
「私、向いてないのかな……。辞めた方が良いのかな……」
振り返ると、退職の相談。
何で私に訊ねるのかと、呆れながら「好きにすれば良い」と答える。
寒いし、早く帰りたい。
「止めてくれないの……?」
「止めて欲しいの?」
「…………、」
「私も新人なの。飯田さんが向いてるか向いてないのかなんて、判断出来るわけない。辞めたいなら辞めて良いと思う。貴方の自由。迷うなら、大宮ーオオミヤー先輩に訊いたら?」
「……ごめん……」
私からの回答を諦めてくれた飯田さん。
「それじゃ」と駐車場へと向かう。
「たっちゃん?」
「お疲れ」
車の影に見えた人影。
近付いて見れば、たっちゃん。
「どうしたの?」
「休日出勤のついで。休日出勤がついでかも知れねぇけど」
「たっちゃん!」
ついででも良い。
理由など関係なく、こんなにも早く会えて嬉しい。