【短編】貴方だけを愛しています
不快感を示すお母さんは、お兄様に姉との接近禁止を言い渡した。

お兄様は最初から会うつもりはないらしく、お手伝いさんお手製らしいスライムをケースへと片して、手を洗いに行く。



「将也に誰かお見合いさせましょう」



「そうだな。……でも、教育の差で、こんなにも違いが出るものか」



「触り過ぎだろ」



「娘に触れて、何が悪い!達也の嫁にしても、唯来はお父さんのたった1人の娘だ」



「はい;;」



「嫁にしたら触れさせねぇよ」



「独占欲とは、小さい男だ」



「元々だ。親父の遺伝子で、唯一の欠点が、兄貴じゃなく、俺に出たな」



「良いのか悪いのか、わからんな」



「あら?貴方も達也も初恋成就よ?相手を独占したいと思う事は不服なのかしら。浮気したいの?」



「“初恋成就”?;;」



「達也は元カノとの付き合いは遊びなのよ」



「……“元カノ”?;;」



未経験とは思ってないけど、彼女という存在が居たとは知らない。

隣に座るたっちゃんを横目に、頭を抱える。



「悩む事ないわ。唯来ちゃんへの気持ちは、お母さんが保証する!浮気もさせないわ!」



「しねぇよ!余計な事言ったの、自分だろ!」



「何故、男の人は遊ぶのかしら……」



「聞かなくて良い」



…いや;;

私はたっちゃんの知らない部分があったと思っただけ。
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