【短編】貴方だけを愛しています
お兄様が慌てて車から降りると、お父さんと2人、私たちに頭を下げた。

お兄様は莉帆さんに話をしてたようで、お父さんたちを助ける為に、わざわざ来て下さったようだ。



「莉帆っ!」



「今、お父様と父が話してるの。そこに大人しく立ってなさい」



「……へい……;;」



「「…………;;」」



「生意気な娘で、申し訳ありません!;;」



「とんでもない。息子には勿体ない子です」



「山はまだまだ冷えます。どうぞ中へ」



莉帆さんと、莉帆さんのお父さんに感謝で胸がいっぱいになってると、お兄様が両手を広げて動き出す。

しかし、莉帆さんに止められて小さくなってる。

呆れながら、お母さんが中へと促す為、みんなでゾロゾロと家へと入る。

莉帆さんに隣を拒否されたお兄様と、たっちゃんに挟まれてソファーに座り、コーヒーで身体を暖める。



「お前、最近コーヒー飲まねぇな」



「不味いんだ」



「そうか?」



「唯来が淹れたやつ以外」



「――っ;;」



「おー。熱い熱い!」



「煩いわよ」



「はい;;」



1人お茶を飲むたっちゃんに、私を挟んで声を掛けたお兄様。

私もドキッとしつつ、声を抑えたのに、盛り上がってしまったお兄様は、また莉帆さんから怒られてる。
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