稲荷寺のパラレル少女
「こちらです」
稲荷につれられて来たのは大きな本殿だった。
この世界に来たときにチラリと見た建物で、それは最上稲荷ととても良く似た形をしていた。
4段ほどの木製の階段の前で靴を脱ぎ、稲荷について中へ入っていく。
開けられた扉の奥には黄金色に輝くご本尊が置かれているはずだが、
それよりもきらびやかな宴が開催されていた。
「これはこれはよく来てくださいました。さぁどうぞ! 宴はもう始まっていますよ」
そう言って良介を中へ促したのは二本足で立っているキツネだった。
稲荷のような服は着ていないが、流暢な日本語で少しだけ酒のにおいをまとわせている。
「遠慮せずにどうぞ」
それでも躊躇していた良介に稲荷が後ろから声をかけていた。
恐る恐る足を踏み入れると、そこかしこにいたキツネたちが一斉に良介を見た。
手に杯を持っていたり、食べかけのお稲荷さんを持っていたりする。
本殿の床には赤色の豪華な絨毯が敷き詰められていて、中央にはウエディングケーキのようにそびえ立つお稲荷さん。
それを囲むようにしてキツネたちが座っている。
「あ、あの……」
キツネたちの視線を一心に浴びて固まってしまう良介。
その時近くで酒を飲んでいたキツネがピョンと立ち上がると「良介さん、よくいらっしゃいました!」と、声をあげた。
稲荷につれられて来たのは大きな本殿だった。
この世界に来たときにチラリと見た建物で、それは最上稲荷ととても良く似た形をしていた。
4段ほどの木製の階段の前で靴を脱ぎ、稲荷について中へ入っていく。
開けられた扉の奥には黄金色に輝くご本尊が置かれているはずだが、
それよりもきらびやかな宴が開催されていた。
「これはこれはよく来てくださいました。さぁどうぞ! 宴はもう始まっていますよ」
そう言って良介を中へ促したのは二本足で立っているキツネだった。
稲荷のような服は着ていないが、流暢な日本語で少しだけ酒のにおいをまとわせている。
「遠慮せずにどうぞ」
それでも躊躇していた良介に稲荷が後ろから声をかけていた。
恐る恐る足を踏み入れると、そこかしこにいたキツネたちが一斉に良介を見た。
手に杯を持っていたり、食べかけのお稲荷さんを持っていたりする。
本殿の床には赤色の豪華な絨毯が敷き詰められていて、中央にはウエディングケーキのようにそびえ立つお稲荷さん。
それを囲むようにしてキツネたちが座っている。
「あ、あの……」
キツネたちの視線を一心に浴びて固まってしまう良介。
その時近くで酒を飲んでいたキツネがピョンと立ち上がると「良介さん、よくいらっしゃいました!」と、声をあげた。