稲荷寺のパラレル少女
☆☆☆
英也はどうやら来た道を戻っているらしい。
長い石段を降りて、空中に浮かんでいる歩道を歩く。
どこかのマンションへ繋がっている道を歩いていたとき、横道からもう一人の良介が出てくるのが見えて、良介と稲荷は同時に足を止めて背中を向けた。
まさか自分が突然出てくるとは思っていなかったので、心臓がバクバクとうるさく跳ねはじめる。
稲荷がすぐにキツネのお面を差し出してくれた。
良介はそれをつけて振り向いた。
こっちの自分は家に帰るところなのだろう、良介たちには背中を向ける形で歩いていく。
その後を英也がついて歩いていた。
しかし、後ろから英也がついてきていることには気がついていないみたいだ。
良介と稲荷の2人は息を殺して2人の後を追いかけた。
ここで振り返られても隠れられる場所はない。
キツネのお面がなければこうして追いかけることもままならなかったことだろう。
そう思っていたときだった。
突然英也が早足になり、前を歩いていた自分と距離を縮めたのだ。
英也はどうやら来た道を戻っているらしい。
長い石段を降りて、空中に浮かんでいる歩道を歩く。
どこかのマンションへ繋がっている道を歩いていたとき、横道からもう一人の良介が出てくるのが見えて、良介と稲荷は同時に足を止めて背中を向けた。
まさか自分が突然出てくるとは思っていなかったので、心臓がバクバクとうるさく跳ねはじめる。
稲荷がすぐにキツネのお面を差し出してくれた。
良介はそれをつけて振り向いた。
こっちの自分は家に帰るところなのだろう、良介たちには背中を向ける形で歩いていく。
その後を英也がついて歩いていた。
しかし、後ろから英也がついてきていることには気がついていないみたいだ。
良介と稲荷の2人は息を殺して2人の後を追いかけた。
ここで振り返られても隠れられる場所はない。
キツネのお面がなければこうして追いかけることもままならなかったことだろう。
そう思っていたときだった。
突然英也が早足になり、前を歩いていた自分と距離を縮めたのだ。