稲荷寺のパラレル少女
「なんとか答えろよ!」


怒鳴った瞬間、英也が低い声でうなりをあげた。


「ぐるるるるるっ」


それはまるで獣のうなり声で、良介は一瞬ひるんだ。


その瞬間手の力を緩めてしまい、英也は逃げ出した。


「あ、待って!!」


稲荷が声をかけるが英也の姿はあっという間に見えなくなってしまったのだった。
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