君と恋を始めました
時間が経って女の子は泣き止んだのか、屋上から出ていこうとした。それをなぜか俺は

『もう泣かないで平気?』


そう声をかけていたのだ。その時なぜかそのまま見過ごす事が出来なかった。この子と近づきたいと思ったのだ。


ワンワン泣いていたその子は俺の予想通り西木菜々だった。しかも可愛いだけじゃなくて少し面白い。俺の容姿を『綺麗だ』なんて言った女は菜々ちゃんが初めてだった。


女なんてただ容姿を見てキャーキャー騒ぐだけの存在としか思ってなかった。


それに俺のことを綺麗だと言ったけど、それはこっちのセリフだ。今まで女の子に興味が無かったが、菜々ちゃんはなぜかどうしても手に入れたくなった。そしてその涙の訳を知りたかった。
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