君と恋を始めました
「あ、名前言ってなかったね」


本当だ。お互い始めましてだった。


「俺は深見篤也(ふかみ あつや)」

「君は?」


「西木 菜々です!」


深見篤也…ネクタイを見る限り、3年生だ。
私の学校は学年ごとに色が違くて、1年生から順に青、赤、緑なんだ。深見先輩は緑色だから3年生だ…


「菜々ちゃんって呼んでもいいかな?」


微笑みながら私の名前を呼ぶ先輩…


「もちろんです!深見先輩!」


私が名前を呼ぶと嬉しそうに笑ってくれた


やっぱり綺麗な顔だな…


「あ、あの…先輩は何でここに居たんですか?」


「ん?俺?俺はいつも夕方になったらここで寝てるんだ」


「え!寝てるんですか?」


「そう。屋上ってあんま人入って来なくて落ち着く」


「あ、確かに」


私も人が居ないと思って屋上に来たんだった。遠慮なくワンワン泣いてたら人がいてそりゃ、びっくりしたもん
< 5 / 12 >

この作品をシェア

pagetop