トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜
そして、二杯目のコーヒーを淹れていると、さくらが慌ててここへ戻って来た。
帰り支度を済ませ、制服ではなく私服になっている。
「普通の格好を初めて見た」
さくらはボーダーのシャツの上にカーキ色のトレンチコートをはおっていた。
ストレッチタイプの細身のジーンズは、さくらのスタイルの良さを強調している。
俺は嬉しくなった。
さくらは俺にたくさんの意外性を見せてくれる。
「専務… お話は何でしょうか?」
俺はさくらのためにまたコーヒーを淹れる。
フリージアの休憩室にあるコーヒーマシンは最新型のせいで、コーヒーの味も香りもいい。
コーヒーのいい匂いに包まれながら、俺は淹れたてのコーヒーをさくらの前に置いた。
「俺が専務になったのは誰かに教えてもらったのか?」
「はい、二宮さんに聞きました。
粗相のないよう接する事と」
俺は可笑しくて笑ってしまう。
粗相のないようにというアドバイスは、半日遅かったかもしれない。
セックスをしました宣言が粗相に入るかは分からないけれど、俺の度肝を抜いたのは間違いないから。