トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜


何て姑息な取引なんだ…と情けない気分になる反面、必死な俺もいる。
さくらと関わりたい。
食事でもドライブでも何でもいい。

そして、驚いて考え込むさくらは本当に可愛らしい。
でも、その可愛らしいさくらの背後にオーラのように浮かび上がる「私、唱馬とセックスしました!」という言葉に、俺は完全に我を失くしている。
こんな簡単に俺を跪かせるさくらって、一体どんなやつなんだ?
もう、俺は、頭の先からつま先まで、さくらに骨抜きにされてしまったらしい。

「今夜は、唱馬さんと会う約束があって…」

さくらは、一人勝手に物思いにふけっている俺に、また、新たな衝撃をぶち込んでくる。
さくらの口から唱馬というワードが出るだけで、ジェラシーの渦が襲ってくるほどだ。

「それは断って。
あ、いいよ、俺の方から唱馬には伝えるから」


< 105 / 180 >

この作品をシェア

pagetop