トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜


「こういう歴史的に有名な場所は他にも何軒かあるけどね。
今まで行った事はないの?」

さくらはこれでもかというほどに、首を横にブンブン振っている。

「じゃ、また他のお店にも連れていってあげるよ。
変な話、こういう歴史的に価値のあるお店は、あ、もちろん馨月亭も入るんだけど、半分公的な機関の組合みたいなものに入って情報を共有してるんだ。
守っていかなきゃならないからね。
そういうところの三代目、四代目は、みんな知り合いだから、特別枠で招待してもらえるよ」

さくらは目を潤ませて俺を見ている。
さくらが単純な女で本当によかった。
今夜はさくらの事が知りたいだけ。
俺はさくらにたくさんの質問をする。
上機嫌なさくらは楽しそうに何でも答えてくれた。
元々、性格のいい唱馬は、さくらが楽しそうに話す事で、それだけで笑顔になっている。
そこも唱馬のいいところ。
単純で純粋な性格は、今まで生きてきた全てで形作られている。


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